2011年11月07日
牛肉の美味しさは、味・香り・食感の3つの要素から成り立っている
仕事柄とはいえ、人一倍肉を食べているにも関わらず
たまに、無性に肉が食べたくなる時がある。
そんなときは、すき焼きやステーキではなく
手軽に焼ける焼肉に限る。
いつなんどきでも肉が食べられるよう
私の家では1人前ずつ小分けにした肉が冷凍室にたっぷり入っている。
ところで、近江牛をはじめとする和牛には
甘くて脂っぽい香りがあることは、みなさんご存じだと思う。
これを「和牛香」と呼んでいるのだが、
牛肉の美味しさは「味」「香り」「食感」の3つの要素から成り立っている。
ただ、本来ならばこの3つは別々に考えなければいけないことなのだが
味・香り・食感を合わせて「美味しい」と表現することが多い。
では、実際にどのような牛肉がおいしいのか。
「香り」だけの評価だと、BMSが高ければ高いほど脂が多くなるので
優れているということになる。
「味」の評価だと、アミノ酸が含まれる赤身部分が優位なので
香りとは逆にBMSが低いほうが良いということになる。
ちなみに、BMSとは、霜降り度合いのことで、
1〜12で評価され、数字が上がるほどサシが多くなる。
要はバランスだと思うのだが、そう考えると1〜12の真ん中あたり、
BMS5〜7が美味しい牛肉だということになる。
もちろん、味覚は個人差によって違うので一概には言えないが、
「味」「香り」「食感」の3つからどれを優先するのかで選ぶ肉も異なる。
個人的には、BMS3あたりのサシが少ない肉が好みで
特に、ステーキや焼肉には、このクラスが最高に旨い。
もちろん、サシが多い肉も旨いのだが
1〜2枚も食べれば満足してしまう。
当店では、サシの多い肉より、赤身系を積極的に販売しているのだが
これは、私が普段食べておいしいと思える肉を基準に考えた結果だ。
通常は、自分たちが食べる肉と、商品として販売する肉は別物で
生産者も、サシが多いA5が高く売れるので、肥育基準をA5に近づくように育てるわけだ。
しかし、自分たちが食べる肉は、近所のスーパーで。
なんてことも珍しいことではない。
もし、A3が高く売れるようなら、A3を基準にした育て方になるだろうし
そのあたりが悩ましいところだ。
どちらにしても、自分たちがおいしいと感じる肉を販売することが
私たちのおいしさへの自信であり、スタッフの誇りでもある。
posted by niiho at 17:44| 焼肉