2012年11月21日

愛農ナチュラルポークのお披露目会メニューが決まりました

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12月6日(木)開催の愛農ナチュラルポークお披露目会のメニューの打ち合わせで
サルティンボッカ木村シェフが試作した料理が抜群にキレイだった。

キレというのは、見た目とおいしさを表しているのだが、ソムリエの肩書きも伊達じゃなく
ワインのチョイスもすばらしかった。

リエット、パンチェッタ、ロースハム、サラミ、テリーヌ、コッパ・・・

牛肉オンリーの食生活なので、豚肉料理を食べる機会が少ないのだが
いやはや豚肉もなかなかどうしておいしいものだ。

よくよく考えてみると、日本人の食卓に最もなじみ深いのは牛肉より豚肉なのだ。
ある統計を見ると、肉の年間購入量の約5割が豚肉で次いで3割が鶏肉、牛肉は2割にとどまる。

関東は豚肉で関西は牛肉と思っている方、多いと思います。
私もそう思っていましたが、すでに西日本でも豚肉の消費量が牛肉を上回っているそうです。

でも、支出金額ベースでみると、西日本では牛肉がトップに躍り出る県が多いそうだ。

そう聞くとなんかホッとするのだが、愛農ナチュラルポークは私の中では別格なのだ。
あのおいしさは度肝を抜かれたというか感動した。

これはうまい!今まで食べてきた豚肉が1番や!などと吹きまくっていたのだが
状況が少し変わってきた。

屠畜から7日ぐらいは脂も甘くて私が感動したそのものの味が楽しめるのだが
とにかく頭数が少ないことから、真空パックにして少しでも日持ちさせようと試みた。

10日過ぎたころにもう一度試食したのだが、なんと普通の豚肉になっていた。
脂の甘さは維持しているものの特別なおいしさは感じられなかった。

もちろん、おいしいのには変わりないのだが、それなら「特別」な豚ではなく
普通においしい豚肉止まりなのだ。わざわざお披露目会をするほどでもない。

う〜ん、困ったなぁ、と悩みはしたものの解決法は単純に7日で売り切ってしまえばいいことで
出荷頭数の少ないときは売り切れにして、多いときは店舗でも販売するようにすれば均一な味を
保てるしさらに希少性が増すというもの。

年間出荷頭数が50頭程度なので、近江牛.comサイト、京都のきたやま南山
南草津のサルティンボッカの3店のみで販売することになった。

悩ましい愛農ナチュラルポークだが、まずはこちらにご参加いただければ
最高の豚肉料理を堪能することができます。

私と南山チームからは、一頭仕入れだからできる「部位食べ比べ」で参加者の舌と脳を
感動させたいと思います。

愛農ナチュラルポークお披露目会(→こちら





posted by niiho at 16:17| イベント

2012年11月15日

脂肪が少なく肉本来の味が楽しめる近江長寿牛

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今日は予定していたことが早く終わってしまったので昨日の続きを書き上げたのだが
なんと誤って削除してしまった。

みなさんも1度は経験があるかと思うのだが、体の力がすべて抜けてしまうとはこのことで
また1から書く気力は相当な労力であり、つま先から全身に気を充満させたような錯覚をおこさない限り
燃えるような気持ちでPCに向かえない。

とまぁ、そんなことを愚痴っていても仕方がないので気を取り直して昨日の続きだ。

農研機構の近畿マッチングフォーラム&日本産肉研究会の意見交換会・情報交換会として
6種類の「特徴のある和牛肉」を試食したのが先週の金曜日のことだった。

聞きなれない、というか初めて目にする牛肉ばかりでわくわくしながら焼き上げた肉を
口にしたのがだ・・・

まずは焼肉用のカットよりやや厚めにカットして焼いてみた。
硬い、とにかく硬くて私が知っている経産牛の硬さを遥かに超えていた。

香りも様々で、ある肉なんかはビニール臭がしてとても食べられるものではなかった。
ものすごく失礼なことを書いているのは承知だが、私が感じたままに書いているのでご容赦いただきたい。

果たして、これを当日の試食として出していいものなのかとも思ったのだが
とりあえず研究者の方々に現状を知っていただき計算では図れない牛肉の奥深さを知っていただこうと
このように思ったわけで、しかし南山でやる以上はどこの牛肉であってもおいしく仕上げることが
プロの仕事であり、江口さんと相談した結果、試食した牛肉の特性を踏まえた上でカット方法を変える
ことにした。

それと冷凍で届いたものが不評だったこともあり、当日までに十分にドリップを出してしまい、
通常の冷蔵温度に馴染ませることで肉質が変化するのではないかと期待した。

さて、当日、奇跡が起こった。
奇跡とは大げさかも知れないが、それほどまでに私の中ではあり得ない肉質であり味だったのだ。
研究としての肉ならそれでも良いだろうが、私は販売の視点で試食をしたので少々厳しく
みさせていただいたということもある。

驚くほどおいしく仕上がっていたのだが、香りもよくサシが入った肉では味わうことができない
「噛み応え」と食後のスッキリ感、すばらしいの一言だ。

もちろん、各牛肉の飼育状況などのストーリーも講演でお聞きしているのでそのあたりも加味している。

たとえば、「放牧仕上げの熟ビーフ」は、穀物飼料で肥育された牛の約2倍の共役リノール酸が
含まれるということやω-6脂肪酸とω-3脂肪酸をバランスよく含んでいることでヘルシーに
仕上がっている。

さらに、耕作放棄地に経産牛を放牧することで除草管理や鳥獣被害を軽減させることにも役立っている。
といったことを事前にインプットされているのといないのとでは一味違うというものだ。

ともあれ和牛はサシ優位で評価されるが、それはそれで先人たちが築いてきた努力の賜物なので
これからも重要視されるべきなのだが、それとは別の評価があっても良いのではないかと思うのだ。

サシがすべてのような取り組みをされている生産者や販売者には理解できないかも知れないが、
生産者を守るため、牛や人間の健康を守るためには必要なことだと常々思っている。

当店でも経産牛を近江長寿牛として販売しているが、熱烈なファンがいる。

リブ&サーロインはドライエージングにしておいしく仕上げているのだが
カタロースやモモ系は焼肉用にカットして通常販売している。

スーパーや百貨店のバイヤーたちは、こういったすばらしい牛肉が日本にあることを知って欲しいし
世に出すためにぜひ協力していただきたい。


posted by niiho at 15:03| イベント

牛肉の価値を再構築する

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農研機構の近畿地域マッチングフォーラムと日本産肉研究会の第10回学術集会が
14日と15日の2日間に渡り開催された。

農水省の方々、研究者の方々、飼料関係者など畜産に関わりのあるみなさんが一同に会し
意見交換できる場に参加させていただき非常に有意義な時間を過ごさせていただいた。

私は、日本産肉研究会の「牛肉の価値を再構築する」という大タイトルのなかで
「牛肉の新しいブランド戦略」についてお話させていただいた。

私の話はさておき、日本が世界に誇る「和牛」とは別の価値観で赤身で味のある牛肉を
なんとか新しい価値として世に出せないかと研究されている背景も知ることができた。

しかし、いくらすばらしい取り組みでもマーケティングに欠けており、現場に落としこめて
いないことがボトルネックとなっている現状も見え隠れした。

一般に出回っていない未知の牛肉を味わう機会をいただいたが、ぜひテーブルミートとして
根付いてほしいものだ。

まだまだ書きたいことはあるのだが、とにかく中身が濃い2日間だったので
ゆっくり机に座れる週末あたりに改めてまとめてみたい。

※木下牧場さんの牛肉の購入についてお問い合わせをいただいておりますが
次回の入荷は、22日頃になります。サイトからご購入できますのでよろしくお願いします。
近江牛.com(→クリック


posted by niiho at 02:38| イベント