2012年11月11日

牛の飼料について当店の取組みと課題、そして解決方法

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知人が鉄板焼きの店を出したいと前々から相談を受けていたのだが
できれば友人知人と商売はしたくないので牛肉は他所をあたってもらうことにした。

先日、開店祝いを兼ねて伺ったのだが牛肉はブランドにこだわらず料理人の目利きで
仕入れることに落ち着いたようだ。

ヒレをご馳走になったがあたりさわりのない味だった。
うまからずまずからずといったところだ。

これは嫌みでもなんでもなく、ヒレに求めるのは柔らかさであり香であり
輸入牛肉には感じられない芳醇な旨味が感じられれば私的には満足なのだ。

ただ、ヒレでもサシがよく入ったものは重くて苦手なので、できれば「ほどよく赤身」が
食後のデザートまでおいしくいただける。

昨日、「モンサントの不自然な食べもの」を見たのだが、モンサントとはアメリカの
アグリバイオ企業で不思議な食べものとは、遺伝子組み換え作物のことだ。

モンサント社は、遺伝子組み換え世界シェア90%だそうで、作中では、アメリカやメキシコの
深刻な状況が映し出されていた。

日本の畜産においても、輸入飼料に依存しなければ経営が成り立たないのが現状だが
今後も恐らくこの状況を打破することはないだろう。

さて、今日は飼料のことを少し書いてみたい。
「モンサントの不自然な食べもの」を見た影響ということでもないが
じつは、13日に迫った「日本産肉研究会」での資料がまったく手つかずで少々焦っているのだ。

現在の肥育技術は配合飼料給与による脂肪交雑主体の肉牛作りで、
いかにサシを入れるかが肥育技術であり、またサシを競い合うかのように各地で
品評会が開催されています。

もちろん、それを否定するつもりは毛頭ないが「日本産肉研究会」では、
国内資源を有効に利用して肥育を行い、どちらかといえば「サシ」ではなく「赤身」主体の
肉牛作りを行なうことを研究しようということが目的なのだ。

霜降り肉があり赤身肉があり、その赤身肉をよりおいしく食べる方法の1つとして熟成肉があり
選択枠が広がるのは消費者にとってはうれしい限りではないだろうか。

飼料については、一般的にはあまり知られていないが(じつは肉屋さんもまったく知らない)
育成期、肥育前期といった飼養上のステージによって内容が異なるのだ。
これは人間と同じで成長段階によって食べものが変わるのと同じだ。

書けば長くなるので簡単にまとめるとこういうことだ。

骨や筋肉の発育が旺盛な時はタンパク質やミネラルの多い飼料を給与して
肉質を柔らかくします。肥育期には脂肪交雑(サシ)をいかに入れるかが重要となり
でんぷん質の多い高カロリーの飼料を給与します。

牛は本来、草食動物なので粗飼料(稲藁)は必ず給与しますが、牛の胃は4つあり
それぞれに役割があり・・・これも書きだすと長くなるので割愛。

私たちの取組みは、国産飼料だけで肉牛を育ててなおかつ健康的な赤身になるように
健全な畜産をしようというのが目的だ。

「モンサントの不自然な食べもの」を見た後に、私の講演を聞けば恐らく近江牛.comの
サーバーが落ちてしまうほどの注文が殺到するだろう(笑)

しかし、私たちが取り組んでいる環境保全型畜産にも問題がないわけではない。
これは無農薬、減農薬とて同じだ。

今後は、安心安全の観点から抗生物質や化学肥料が極力制限されたものを求める
消費者とそうではなく安価なものを欲する消費者に二分されるだろう。

バブル期以降から、安ければ安いほうが良いという時代だった。
たぶんこれからもその流れは変わらないだろう。

しかし、ここ数年エシカルな食を支持する層が確実にでてきたのも事実なのだ。
特に2011/3/11の震災以降、私たちの取組みに共感した方々が当店の牛肉をリピートし
続けてくれている。

先に私たちの取組みにも問題がないわけではないと書いたが、例えば稲藁は自分たちで
種を蒔いて田畑を耕して収穫している。いわば天然ものだ。

しかし、天然ものを含む国産品は輸入品と比較するとかなり高価になる。
つまり生産コストの上昇につながり、経済動物としての肉牛には不向きなのだ。

2004年頃、トレーサビリティの仕組みを作る際に近江牛の生産農家をレポートした。
そのときに各生産者に「どのような牛が良い牛ですか?」と質問したことがある。

みなさん一同に「そら金儲けしてくれる牛やろ」という示し合わせたような返答だった。

格付けでA5-BMS12や共進会でチャンオピオンを獲るよりも10円でも高く売れたほうが
ありがたいというのが本音のようだ。

となれば、高い国産品はますます使えないというわけだ。

以前なにかの本だったかだれかの講演だったのか忘れてしまったが
有機栽培で育てられた稲藁を食べた子牛は肝蛭病(かんてつびょう)に冒されることがあると
聞いた覚えがある。肝蛭とは吸虫でいわゆる寄生虫だ。

ヒメモノアラガイが中間宿主となり、最終宿主が牛や豚になり感染すると発育不良が
見られるそうだ。

先日の記事にアップした藁の収穫時の写真だが↓

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10p〜15cm程度残して刈り取っているので非常に歩きにくく、写真のような移動方法になるのだが
これにはちゃんとした理由があり、木下さん曰く、稲にタニシや巻貝が棲みつきそこに菌が
発生する。その稲を食べた牛は肝臓を悪くするために、面倒だが稲を長めに刈っているとの
ことだった。

恐らく肝蛭のことを言っているのだろうと思うのだが違っていたら指摘してください。

どちらにしても、安全性を求めれば問題もでてくるわけで1つ1つクリアしていき
講演やイベントなどを通じて、消費者とのエンゲージメントを深めていきたい。
そして、1人でも多くの方に共感していただければ私も生産者もうれしいです。



posted by niiho at 13:45| 雑記

2012年11月10日

2012年度(平成24年度)近畿地域マッチングフォーラム

11月13日(火)〜14日(水)の2日間、農研機構の2012年度近畿地域マッチングフォーラムが
キャンパスプラザ京都で開催される。

開催趣旨はこちら↓

わが国の牛肉生産は、海外からの輸入濃厚飼料に依存した飼養体系となっており、自給飼料基盤に立脚した生産体制への転換が求められています。消費者からは、ヘルシーさ、おいしさ、低価格といった牛肉への要望があり、多様な消費者の嗜好性に対応するために、国内の飼料資源を活用して飼料自給率を高め、低コストで、特徴的な牛肉を生産する取組みが進められています。

そこで、本マッチングフォーラムでは、自給飼料を活用した特徴ある牛肉生産の取組みを推進するとともに、その取組みや畜産物に対する消費者のさらなる理解増進を図るために、研究の現状及び生産の取り組みの状況を紹介します。さらに、消費者を交えたパネルディスカッションを行い、今後の多様な牛肉生産の拡大・普及に資するものとします。

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7名のすばらしい方々のお話しが聞けるわけだがラストが木下その美さんということで
少々心配ではあるが楽しみである。

午後からは、日本産肉研究会学術集会が開催されるのだが、お偉い先生方に挟まれて
私も少しだけお話しすることになっている。

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懇親会は、きたやま南山で行われるのだがこれがおもしろい。
「名の無い希少な赤身肉」とでも言う表現が適切かどうかわからないが
普段お目にかかれない牛肉たちが揃うのだ。

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出荷先が、九州大学付属農場やJA石見銀山とか北里八雲ビーフ、熟ビーフ、アップルビーフなど
とにかく肉がどうこうよりも開催趣旨そのものだが、国内の飼料資源を活用して飼料自給率を高め、低コストで、特徴的な牛肉ばかりが揃った。

昨日、味の検証を行ったのだが、ガシガシの赤身肉を食べ慣れている私にとっては
おいしく食べられるのだが、サシの入った和牛を好む方にとっては考えられない味だと思う。

これから肉の厚さや焼き方を詰めながら、足りないところはストーリーで埋めていけるように
調整していきたい。食べておいしさを感じるだけではなく、ぜひ頭でも感じていただきたい。

すでに100名以上の申し込みがあるようだがお席にもう少し余裕があるとのこと、
お時間のある方は京都駅からすぐなのでぜひお越しください。詳しくは(⇒クリック


posted by niiho at 11:47| イベント

2012年11月08日

近江熟成肉いまなら1.5kg出荷できます!

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これなんだかわかります?

店内が暗かったので一瞬分からなかったのですがboneですよbone
つまり牛の骨、サイズ的に子牛の骨ですね。

こういう使い方があるんだと妙に感心したり写真を撮りまくったりで
さすが東京アメリカンクラブです。

友人に連れて行ってもらったんですが別世界でした。
気になる牛肉メニューにはニュージーランドの牧草肥育和牛と書かれています。

そしてオーダーしたのがこちら↓
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これは驚きました!ネーミングもおもしろくて、
「トマホークロングボーンリブアイ」はなかなかの傑作です。

ところで、最近テレビで「熟成肉」の文字をみかけることが多くなった。
これが非常に悩ましいところで生肉を4〜5日置いておくだけでも熟成と謳う場合もあるし
枝肉で1週間吊るしておいても熟成と言う。

もっと厳密にいえば、「特選」や「極上」と同じように「熟成」を用いて
商品名とする場合もある。

このあたりが消費者の混乱を招く恐れがあるのだが、当店で販売している熟成肉は
これらのどれにも当てはまらない。

ドライエージングビーフ、つまり乾燥熟成させた牛肉になるのだが、エージングには
最低でも40日を必要とし、肉によっては60日間エージングさせることもある。

さて、長らく欠品しておりました近江熟成肉ですがようやく来週には仕上がる予定です。
本日もたくさんのお問い合わせをいただきましたが、16日以降のお届日をご指定いただきましたら
幸いです。

さらに朗報です!いまなら1.5kg程度の出荷が可能です。

レストラン用としてドライエージングさせていた熟成肉を5.0kgほど分けていただくことになり
すでに3.5kg売れてしまいましたので残り1.5kgの販売が可能となっています。

こちらはお早めにお願いたします。


posted by niiho at 10:44| 熟成肉

2012年11月06日

ハンバーグのことをもっと考えないと

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親戚の叔父が東京から来るというので忙しい家族を代表して私が接待することになった。

知人がやってるステーキハウスで、叔父はフィレステーキ、私はハンバーグを頼んだ。
柔らかいね、おいしいね、という叔父の顔を見ているとうれしくなった。

あいにく知人はいなかったのだが、シェフが焼いてくれた。
この店はステーキハウスでありながらハンバーグが有名で雑誌やテレビでも度々紹介されている。

しかし、この日食べたハンバーグは肉が硬く全体的な味も薄くてソースで食べている感じだった。
つまり、いつもと違う味で満足したとまではいかなかった。

とはいっても他所のハンバーグと比べると断然うまいのだが・・・。

翌日、知人からメールが送られてきた。

ハンバーグを食べていただいたみたいですが、実は今回あまりできばえが良くなくて
シェフにダメ出ししていたところなんです。私が言うまでもなくお気づきになられたとは
思われますが、また作り直させますので今度は招待させてください。

といった内容だった。

私が言うまでもなく、これはシェフのプロ意識の低さに問題アリでしょう。

当店でもハンバーグを販売しているが、同じ分量の調味料を入れて作っても
毎回味が均一しない。

原因は、肉にあるのだが脂が少しでも入れば当然赤身主体で作った時よりも
味が変わってしまう。もちろん逆もしかりで何度も何度も味見をするわけだ。

販売するにあたっては一定基準をクリアしなけらばいけないのだが
すべて破棄することも少なくない。

人前に出せる出せないは、真剣にハンバーグを作っているかどうかだと思う。

そのためには夢にでてくるぐらいハンバーグのことを考えないと。


posted by niiho at 18:05| 商品

2012年11月05日

愛農ナチュラルポークお披露目会 募集開始

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三重県の伊賀市に日本で唯一の私立の農業高校がある。
あまり知られていないその高校は、愛農学園高等学校といって生徒数60名ほどの小さな学校だ。

しかし、広大な農場に囲まれた全寮制の同校には、農業を志す若者が全国から集い、
作物を育て、家畜に親しむ3年間の実践的学習を通じて、誇りと喜びをもって農業の明日に
立ち向かおうとしている姿がある。

同校は持続可能な農業の確立を教育の柱としており、牛、豚、鶏の糞尿は畑の堆肥として
活用するなど、化学肥料や農薬を使わない循環型農業を実践している。

その取組みに共感した私は、縁があって養豚部の生徒たちが育てている豚肉を食べる
機会をいただいた。

高校生が実習の一貫として育てている豚がおいしいなどとは思っていなかった。
食べる前までは・・・

正直驚いた。ネットの世界では、見せ方や写真、誇大広告やリスティングでの売り方があり
リアルとは販売手法が異なるため、食のプロでなくても売れてしまう場合がある。

しかし、大袈裟でもなんでもなく私がいままで食べた豚肉の中で一番うまかった。

先日、愛農高校を訪ねた時、ちょうど昼時ということもあり生徒たちと給食を共にした。
君たちが育てている豚の肉はとにかく最高にうまくて、私がいままで食べた中でも断トツで・・・

と力説したのだが、オオーッ!と歓声は上がったものの生徒も先生もポカンとした表情で
イマイチ冴えないのだ。

冴えない理由はすぐにわかった。
愛農高校は全寮制で、校内自給率が70%なのだ。
このとき生徒たちと食べた給食もイカ以外はすべて校内産なのだ。

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つまりだ、自分たちで育てた(作った)ものしか食べたことがないので
比べようがないということだ。

愛農高校で育てている豚の肉に出会ったのが数ヶ月前のことだった。
100頭という少ない頭数だからできる投薬ゼロの徹底した愛情管理。驚いたのは何度も言うが味。
これは牛肉も同じことで、サシによる見た目よりも食べてうまいかどうか、結局求められるのは
味なのだ。いくらキレイな肉でもおいしくなければリピートされない。

肉質は柔らかく脂は甘く嘘でも大袈裟な表現でもなく本当に感動した。
そこそこの味だったらせっかくのご縁なので実店舗での1アイテムとして販売しようかと
そんなふうに考えていた。

実店舗でもサイトでも私が惚れ込んだ薩摩清浄豚を販売していることもあり、
そもそも近江牛専門店に豚肉は2ブランドも必要ないのだ。

阪本啓一氏曰く「も」の誘惑というやつだ。
牛肉だけ販売していればいいものを色気出して豚肉「も」というやつだ。
しかも1ブランドでいいのに2ブランド「も」・・・

しかしだ、うまくてうまくてどうしようもなく販売したいという気持ちが抑えられない。
せめて私の友人知人だけにでも食べてほしい、そして感動してほしい。

特に豚肉の消費が多い関東の友人に食べてほしい。
実際に試食してもらったがあまりにもおいしさくて感動したとの感想をもらっている。

しかもですよ、取組みがすばらしくフード・アクション・ニッポンアワード2011で
大賞を受賞しているのだ。ちなみに私たちの取組みも2010年に優秀賞を受賞している。

実際に豚舎を見せていただき、先生の話を聞いてなぜおいしいのか少しだけ理解できた部分がある。
それは、「どこのだれが飼っているのか」も大事だが「どのようにして飼っているのか」が
明確なのだ。私が目指しているアメリカのオーガニックスーパー「ホールフーズ・マーケット」の
動物福祉( アニマルウェルフェア)による5段階表示に似ている。

ホールフーズ・マーケットのように5段階の家畜福祉格付け制度によって認証こそしていないが
無意識にそういう取り組みが行われていることを評価したいのだ。
しかも味が抜群に良いとなればこれは是が非でも広めたいというもの。

ただし、1ヶ月に2頭程度の出荷で、出荷のない月もあるとのこと。
ますます本物であり、安全で安心して食べられる希少なものはそんなにたくさん流通できないのだ。

愛農高校の先生と相談した結果、当店で販売させていただくことになったのだが
本当に大事に大事に販売していきたい。

「愛+農+自然」のおいしい豚肉、「愛農ナチュラルポーク」の誕生です。

おいしくて安全でそして安心して未来の子供たちに残していきたい豚肉

愛農ナチュラルポークのお披露目会を以下のように開催いたします。

お時間都合をつけていただき、ぜひ奮ってご参加いただきますようお願いいたします。


日時:12月6日(木)
場所:きたやま南山
申し込み方法:FBで参加、もしくは直接お電話下さい。
077-722-4131
FBページ:https://www.facebook.com/#!/events/131652393650936/


ほんまにくどいようですが、もう1回言うときます。

とにかくうまい!脂があまい、そして豚肉で感動するなんて私は一生ないと思っていました。

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posted by niiho at 14:56| イベント

2012年11月03日

日本産肉研究会 第10回学術集会は11月13日(火)です

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今年は人前でお話しする機会が多くあった。
月2〜3回のペースだったので結構大変。

大変なら断ればよいのだが、私のようなものの話でも
役に立つのならとお引き受けしている。

年内の講演は残すところあと2回。
そのうちの1つがこちら↓

11月13日「日本産肉研究会」第10回秋季集会が
京都キャンパスプラザにおいて開催されます。

ご紹介ホームページはこちら(⇒クリック

「牛肉の価値を再構築する」
座長 室谷進(農研機構:畜産草地研究所)

会場:キャンパスプラザ京都 第3講義室

(1) 分子栄養学の観点からお肉を食べよう
定真理子 (新宿溝口クリニック)

(2) 給与飼料の違いによる牛肉の種々の違いを考える
佐藤健司(京都府立大学 大学院生命環境科学研究科 教授)

(3) 牛肉の新しいブランド戦略
新保吉伸 (株式会社 サカエヤ)

(4) ふる里と人を育てる牛肉のエシカルな評価基準を考える
熊谷元(京都大学 大学院農学研究科 准教授)

(5)総合討論


終了後は、きたやま南山で意見交換会が開催される。
さらに翌日は、木下牧場の見学会だ。

私は京都から近江八幡までの約2時間、バスガイドに任命されているので
私たちの取組みについて大いに語りたいと思っている。


posted by niiho at 09:47| イベント

2012年11月02日

愛農ナチュラルポークは11月9日(金)から販売開始

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最近豚肉の話ばかりだが、じつは10年程前までは
豚肉なんてなんでも同じや、味なんて大差ないと思っていた。

それこそ10年前に、いやもっと前だったかも知れない。
黒豚を探しに鹿児島の南州農場さんを訪れたときだった。

こんなうまい豚肉があるのかと驚いて、さっそく黒豚1頭買いして
内臓も仕入れさせてもらって店で販売した。

しかし、さっぱり売れなかった。
いくらうまい豚肉でも、いくら希少性の高い豚肉で
関西では豚肉は売れないのかと実感した出来事だった。

もちろん豚肉がまったく売れないわけではない。
チャップ(牛肉でいうサーロン)やバラなどは売れるのだが
1頭仕入れのため売れる部位とそうでない部位のバランスが悪いのだ。

そんなこともあって結局長く続かなかった。
それから薩摩の豚肉に出会って、こちらは部位仕入れが可能ということで
現在は必要な部位(売れる部位)のみ仕入れてはぼちぼち販売している。

薩摩豚は店舗ではしっかりとファンがついており
近江牛専門店ではあるが、豚肉だけを買いに来るお客さんも結構いたりする。

わざわざ神戸から定期的に豚肉をまとめ買いに来るお客さんもいるくらいだ。
最初、何かのついでに寄ってくれているものばかりだと思っていたのだが
本当に豚肉だけを買いに来ているとのことで驚いた。

薩摩豚を超える豚肉に出会ったのは先月のことだった。
高校生が育てているとのことで正直あまり期待はしていなかったのだが
まさか豚肉で感動するとは思いもよらなかった。

しかも、飼育方法がものすごく健全で投薬もしていなくて
100頭程度をノンストレスで飼っているので豚が生き生きしている。

来週から「愛農ナチュラルポーク」として販売するのだが
試食もかねてこのところ毎日のように食べている。

昨夜はリブロースを分厚くカットしてオーブンで火入れしてみた。
塩で食べたり、ソースで食べたりと本当にうまい。

サイトで販売の予定はなかったのだが、ブログをご覧になっている方から
熱烈なラブコールが届いているので数量限定で販売してみたいと思う。

本当においしいからぜひ買っていただきたい。




posted by niiho at 19:36| 商品

2012年11月01日

愛農ナチュラルポークお披露目会は12月6日きたやま南山にて開催

三重県伊賀市の山間部に愛農高校という全寮制の農業学校がある。
「農場から食卓へ」を実践する学校で、なんと校内自給率70%というから驚きだ。

取組みがすばらしくて、野菜は有機無農薬、果樹も作物も完全無農薬
牛や豚、鶏は投薬なしの健全な飼育をしている。

頭数が少ないからしっかりと管理できるのだろうが
それにしてもすばらしい。

昨日の記事でも某高校として紹介したが、
じつはちょっと訳があって高校名を明かせなかったのだが
今日からは堂々としっかりキッチリ愛農高校のPRもできるようになった。

今日は生徒たちと一緒に給食を食べたのだがタコ以外は
すべて校内で作ったものだ。

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愛農高校といえば、2011年フード・アクション・ニッポンアワードにおいて
農業の担い手を育てる農業高校、就農率45%の取組みとして大賞を受賞している。
ちなみに、当店は2010年にプロダクト部門において優秀賞を受賞させていただいた。

いわばフード・アクション・ニッポンアワード繋がりなのだ。

愛農高校の取組みについてはおいおい紹介させていただくが
今回は豚を見るためにお邪魔させていただいた。

豚舎を見る前に先に味見をしているのでどうしても期待が高まる。
何度も言うようだが、私がいままで食べた豚肉の中ではいちばん旨い。

給食事に、そのことを生徒たちに伝えると歓声があがった。
なんと養豚部の先生も生徒も愛農の豚肉しか食べたことがないらしく
これが普通だと思っていたそうだ。

スーパーなどで売られている豚肉のことを説明するが、
食べ比べしたわけではないのでいまいち理解できないような感じだった。

約100頭と小規模の飼育だからこそできるエサへのこだわり、そしてホルモン剤などの
投薬なしの健全な育て方は私が牛に対するこだわりとまったく同じだ。

来週あたりから本格的に「愛農ナチュラルポーク」として店舗で販売していくが
計画的に出荷されるわけではないので不定期販売になる。

ネットでは販売しないつもりでいたのだが、先生方や生徒の情熱溢れる姿をみると
ついつい私も本気モードにならざるをえない。
ということで、現在販売している薩摩豚は贔屓にしてくれているお客さんもいるのだが
実際、愛農ナチュラルポークのほうが断然うまいのでやめることにした。

販売に関しては、入荷したらメルマガやFBで告知していく予定だが、
とにかく買ってほしい。

私がこんなことを書くのは珍しいのだが、それほどおいしくて感動したのだ。

たくさんの方に味わってほしい。
そして、こんなおいしい豚肉があるのかと感動の共感をしてほしくて
本日、急遽「愛農ナチュラルポークお披露目会」を開催することが決定した。

場所は、例によって京都のきたやま南山で行うことに。
料理は、サルティンボッカの木村シェフにまたまたお願いしてしまった。

内容はこれから詰めていくのだが、12月6日(木)ぜひ1人でも多くの方に
ご参加いただけると幸いです。


posted by niiho at 19:18| イベント

2012年10月31日

農業高校の生徒たちが育てた豚肉は想像を遥かに超えたおいしさだった

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ドライエージングビーフ(近江牛熟成肉)が売切れ中につき
問い合わせが殺到中だ。

殺到中といえば大袈裟かも知れないが、当店のような小さな店に1日10件程度の
問い合わせが毎日のように寄せられればこれはもうりっぱな殺到中なのだ。

通常の肉と違って、熟成肉は40日以上寝かせる期間が必要なので
どうしてもコンスタントに販売できない。

逆算してドライエージングすれば良いようなものだが
熟成に見合った肉がなければ今回のように販売できない期間がでてくるのだ。

お待たせしているが、近々での仕上がり予定は11月11日なので、
遅くても16日あたりから販売を再開できそうだ。

さて、写真の豚肉は今宵の私の晩飯になるのだが
以前にも紹介した某農業高校の生徒が育てたオーガニックポークだ。

来月から正式に販売を予定しているのだが、とにかくうまい。
お世辞でもなく、売りたいがための謳い文句でもなく
私がいままで食べてきた豚肉の中で一番うまいといっても決して言いすぎではない。

脂が甘くて肉質が嫌みのない自然な柔らかさなのだ。
トンカツやポークソテーなどは肉の繊維をカットするために
ジャガード(肉の繊維を切る簡易的な道具)などで筋切りするのが通常だ。

しかし、なんにも手を加えなくても柔らかくて旨味が凝縮されているのだ。
あぁ〜、早く販売したい、早くお客さんの感想が聞きたい。
豚肉でこれほどわくわくするのは初めてかもしれない。

販売は、店舗のみでネットでは考えていない。
ただし、わくわく定期便には毎月なんらかの形で組み入れたいと思う。
会員さんはぜひ楽しみにしていただきたい。

ところで、先日、東京の新橋で豚レバーを生で提供している店を発見した。
その数日前に、朝のテレビでも豚の生食を特集していたのを見たところなので
ほんまにそんな店が存在するんやと驚いた。

テレビで見た時は、居酒屋だったと記憶しているのだが
レバーの他に、いかに新鮮なのかを証明するためにと舌(タン)先をまな板に打ちつけて
「ね、ピクピクしてるでしょう、これが新鮮な証拠なんだよ」とかなんとか言っていた。

おまえはアホか!と思わずテレビに突っ込んだが
食肉関係者にとって豚の生食など考えられないことだ。

例えば、冒頭の高校生が育てた豚なんてものすごく健全な育て方をしているのだが
それでも生で食べることはできない。

販売する側にも責任はあるが、卸業者はもっと知識を持って扱ってほしい。
何か事故が起これば、事故を起こした1軒の店だけで済まないのは歴然なのに。

ネット販売でも良く似たことはたくさんあるが、消費者の方々は
知識と常識のある店で健全な買い物をしてほしいと願うばかりだ。



posted by niiho at 17:26| 雑記

2012年10月30日

リ・デザインで生まれ変わった商品

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昨日は倉敷にある水辺のカフェ三宅商店へお邪魔した。

MAIDOMAIDO-internationalのイベントだったのだが
定休日のところをOPENしていただき感謝。

MAIDOMAIDO-internationalとは(→クリック

「三宅カレー」がとにかくうまかった。
実はカレーは好きなのだが苦手なのだ。

なにをワケのわからんことを・・・
と突っ込まれそうだが、食べ終わった後の太りそうな感じが嫌なのだ。
胃もたれして霜降り肉を食べすぎた後と似ている。

その点、三宅カレーは食べ終わったあとも体が軽かった。
あっさりとして特製カレーに玄米も体に良さそうだ。

カレーといえば、当店でも「近江牛専門店が極めたカレー」
販売しているがコンスタントに売れ続けている。

1箱1050円なので気軽に食べられないとの声をたくさんいただくのだが
ちゃんとした(意味深だが)近江牛を使えばどうしてもこれくらいの価格になってしまう。

ミンチを使ったキーマカレーでも1箱735円と高めの設定だ。
こちらも順調に売れ続けているのでしっかりとファンがついてくれているようだ。

さて、三宅カレーを食べた後は、林源十郎商店へ。

ここで私が注目したのは、こちらだ。

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「koji 100」

要は甘酒なのだが、あまりにもおいしかったので1本買った。

もし、ラベルが「あま酒」だったら、いくらおいしかっても
手荷物が大嫌いな私は間違いなく買わなかっただろう。

店主の説明はこうだ。

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2012年夏、懐かしくて新しい夏の健康飲み物として誕生しました。
米こうじのみ(100%)を使った、栗をすりおろしたような香りとすっきりとした
こうじだけの甘みが新鮮な甘酒です。
甘酒と聞くと、冬の温かい飲み物、独特の匂いが苦手、アルコールが入っているのでは…
というイメージがあるかもしれませんが、甘酒はノンアルコールで、実は夏の飲み物なのです。
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8月販売時のテキストなので夏向けになっているが、間もなく冬用に変わるだろう(たぶん)

当初は甘酒として販売していたらしく、イマイチの売れ行きだったそうだ。
それが「koji 100」としてリ・デザインしたら売れだしたそうだ。
もちろん「おいしい」からリピートもされるだろうが、手にとる“きっかけ”としては
「甘酒」より「koji 100」というネーミングと懐かしさを残しつつリ・デザインした
ブランディングだろう。

当店にもネーミングを変えてヒットした商品がある。
霜降りモモすき焼き用だ。

上質なモモ肉には、サシが入る場合が多いのだが
一般的には「モモ肉=赤身」というイメージがあり、クレームをいただいたことがあった。

お客さんの言い分はこうだ。
サシが入っているのでロースではないのか?
ということだった。

説明してご納得はいただいたのだが、それならいっそのこと
マイナス面をそのままネーミングにしてしまおうと「霜降りモモすき焼き用」と
リ・デザインしたわけだ。

もちろん、その後はクレームは一切なく、売れ筋の商品に成長したわけだが
味に自信があってもイマイチ芳しくない商品は、ネーミングやパッケージを
リ・デザインすることで生まれ変わることがあるといった事例である。

当店には他にもこのような商品がある。


脂が多すぎてクレームになった小腸(コプチャン)を
“あぶらホルモン”としてネーミング

もつ鍋が売れる時期のみの限定ネーミング
“もつ鍋に入れたらおいしいホルモン”

とまぁ、そのままやん!という名前の商品名がたくさんある。

分かりやすくて商品説明が省略できるのでシンプルなプレートで
展開できるのがうれしい。

posted by niiho at 14:28| 雑記