2012年09月15日

短角牛「草太郎」を食す会は肉好きが世界中から集まった

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まずはこの写真を見ていただこう。

グラスフェッドで育てた短角牛「草太郎」の持ち主というかオーナーの
やまけんさん(右端)、草太郎を育ててくれた畠山さん(右から2番目)
草太郎がさらにおいしくなるようにドライエージングした私(左端)
草太郎を最高の料理でもてなしてくれたサルティンボッカの木村シェフ(左から2番目)
わざわざ神奈川から駆け付けてくれたお肉大好き@クック&ダインの山口さん
そしてすばらしい企画と場所を提供してくれた南山@楠本さん(撮影)

まずはやまけんさんの「牛と牛肉」という講演からはじまった。
この人は本当に牛のことをよく知っている。
間違いなくそこらへんの肉屋より詳しい。

講演の後は、おまちかねの食す会だ。

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ドライエージングした草太郎がこうなった!
手前がオーブンで火入れしたもの、奥がオイルコンフィだ。

私は少し心配だった。
と言うのも、通常最低でも40日間のエージング期間が必要なのだが
今回は、日程の都合上30日で仕上げなくてはならなかった。

前回の国産丸も私がドライエージングを担当したのだが
イマイチ熟成があまかった。

短角牛はもしかしたらドライエージングに向かないのかも知れない。
そんなことも若干思っていたりもした。

しかしだ、結果はそんな心配はまったく無用だった。

肉を鼻に近づけると、熟成香と呼ばれるナッツ香が微かにする。
それが噛みしめると強烈とまではいかないまでも間違いなく正当なドライエージングの
旨味を感じることができた。

草太郎は、いままで食べた短角牛のなかで一番うまかった。


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じつは、もう1つ心配事があったのだ。
食べ比べとして焼肉で提供するとき、どうしても肉厚が出せない分
熟成香がまったくしない恐れがある。

事前に南山の江口さんに熟成肉のみ通常の3倍厚でカットするようにお願いしていた。
これはいままでの経験からくるもので、3倍厚にしないと熟成香が顔を出してくれない。

結果は、こちらも心地よい熟成香を堪能することができた。
当店のブランドでもある近江牛長寿牛も存在感をアピールした。

近江牛長寿牛に関しては、いまだ未販売なのだが近日中にページを作って
本格的に販売していきたいと考えている。


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〆は草太郎の牛すじのリゾットだ。
お米は岩手県産の五穀米だが、これが思いのほか旨くてシビれた。

いやぁー、ホントにおいしかった!
全国から牛肉大好きな方々がこうやって一同に会するなんて
涙がでるほどうれしくて時間が止まってほしいと思ったぐらいだ。

そうそう、これを書くのを忘れるところだった。

この日は席が事前に決められていて、7番の席に私が座ると
しばらくして1人の女性があいさつに来られた。

一斉に会場中がヒートアップしたので(肉好きの集まりだから一気にしゃべりまくるのだ)
何を言ってるのかわからなかった。

どうやら私を知っているようで、メールがどうとかフランスがどうとか言っている。

少しづつ私の記憶の中の点が繋がり始めた。

あぁぁぁぁ・・・ボラン農場のmasayoさんじゃないか!

masayoさんは、フランス在住でアルモリカンという牛を飼っている。
それが短角牛と見分けが付かないほど良く似ていて数年前にメールのやりとりを
していたのだ。

なんと、この日のためだけにフランスからやってきたというのだ。
そう言うてるだけやろ、なんて思ったのだが話をお聞きするとどうやら本当らしい。

いやぁーすごい!

フランスへ来てほしい、いや、来てもらわないと困るんです。
などと懇願され、つい調子に乗って「行きますとも!」と言ってしまった。

あとで聞いたら、やまけんさんも「行く、行く」なんて気軽に返事したようで
これは社交辞令ではすまされそうな雰囲気でもなく来年あたりフランスへ行くかも。

なにはともあれ、すばらしい会であり、少しでも協力できたことに感謝し、
益々、牛肉が好きになった最高の1日でした。



posted by niiho at 16:00| イベント

2012年09月11日

生産者ブランドの確率はサシよりもおいしさ、つまり「味」だ

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久しぶりに「焼きすき」を堪能した。
鉄のプレートの上で薄切りのスライス肉を焼いてわりしたで食べるのだが
じつにうまい!2枚ほど食べた後にわりしたに卵を溶いて肉をくぐらせると絶品だ。

ところで、本日届いた牛肉関連の本にこんなことが書かれていた。

ある肉屋の主人にインタビューした内容だが、

「牝の黒毛和牛で、霜がきれいに入った牛肉というのは、流通する肉のうちの
たった3%しかありません。体型的には、肩が張って上半身の大きいプロポーションが、
肉がたくさんとれることになります。そして、霜がじっくり乗るのは、牛が肝臓をわるくする
寸前なのです。哀れなことではあります・・・・・。
うちでは、霜が入ったそういう肉を扱いたいんで、契約牧場をもっているくらいです」

つまり、肝臓を悪くするまで霜(サシ)を入れる育て方をしているということだ。
肥育段階で、ビタミンを欠乏させればサシが入りやすくなる。

しかし、やりすぎると当然だが牛に負担がかかる。
肢が腫れたり、瞳孔が開いたりとサシを入れる代償は大きいのだ。

そういった牛は、内臓、特に肝臓(レバー)をみればわかる。
筋が多くて硬い。あまりにもヒドいと食肉センターで廃棄になる。

私は、そういったサシが入った肉を扱いたいとは思わないが
そこは店主の考え方や店のポリシーがあるのだろう。

肉牛ジャーナルという業界紙がある。
今月号に、「生産と消費を結ぶ食肉業者」というタイトルで当店の特集を組んでもらった。
7ページにわたって私と生産者のインタビュー記事が掲載されている。

昨日から、当店でお買い物いただいたお客様に記事のコピーをお付けしているのだが
ご興味のある方は、ぜひお肉を買っていただきたい(笑)

黒毛和牛の世界は、肉にどれだけサシが入るかで価値が決まる。
そのために、生産者はこぞってサシを入れたがり、それが評価へと繋がる。

私は、契約している生産者にサシを入れないようにお願いしている。
それでも、サシは多かれ少なかれ入るのだ。それで十分だと思うし過度なサシは
食べてもおいしくない。

作る側も販売する側も、さらに消費者も「和牛=霜降り」が根強く、
もちろん、私はそれを否定するつもりは毛頭ないのだがここ最近事情が変わりつつある。

A5のセリ価格が以前よりも伸びないのだ。
それよりもA3の価格が異常なくらい高値で落札されている。

セリに参加しているのは問屋が大半なので、お客さん(肉屋やレストランなど)の需要が赤身に
シフトしはじめているのだと推測できる。

A3あたりの価値が高まり、高値で売れると生産者は非常に楽だ。
ストレスフリーな牛飼いができる。

しかしだ、すべてのA3が高値で動いているかと言えばそうではない。
ここに生産者ブランド(私がかってにそう言ってるだけだが)が存在する。

A3であれA5であれ、食べておいしくない牛肉は人気がないのだ。
そのあたりは購買者の目利きによるところなのだが百戦錬磨の目利きは甘くない。

生産者は、サシを入れることばかりに専念しないで、どうすればおいしい牛肉が
作れるのかを真剣に考えるべきだ。

そこに購買者が魅力を感じ、ブランドとして旗が立つのではないだろうか。



posted by niiho at 18:50| 雑記

2012年09月10日

新鮮レバーは唐揚げや天ぷらにするとおいしい

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週に2回、新鮮な近江牛の内臓が入荷する。
レバーを見るたびに、レバ刺し好きなお客さんの顔が浮かぶ。

あれだけ騒がれたレバー問題だが、最近では生レバーの問い合わせもなくなり
少し寂しい気もする。

白菜の浅漬けを原因とする北海道の腸管出血性大腸菌O157の集団食中毒で
感染者は160人に達したとニュースでやっていた。

これが牛肉だったら、製造会社は倒産しスーパーや小売店から牛肉は消え
風評被害による牛肉離れが深刻化することが安易に想像がつく。

しかし、1社がおこした事故により、漬け物業界全体が被害を被るのは
どの業界も同じで、影響の大小ではなく風評の広がりは避けられない。

最終的には消費者の判断に委ねられるのだが、こういった事件や事故だけではなく
いま流行っていても、創業何百年の歴史があっても、消費者が買わなくなれば
一瞬にして潰れてしまうのだ。商売とはそんなものだ。

だから、いつも緊張感を持って作業しなければならない。

私がいつも社員に言っていることは、我々は人を喜ばすこともできるし
逆に死に至らしめることもできる。まさに命を預かっているのだと。

話が脱線してしまったが、私が書きたかったのは新鮮なレバーは唐揚げや天ぷらにすると
おいしいということだった。

続きは次回に。




posted by niiho at 19:23| 雑記

2012年09月09日

近江牛ロースの赤ワインソース、秋の野菜を添えて

魚や野菜には旬≠ェあるが牛肉には旬らしきものはない。
しかし、季節によって売れ筋が変わってくるのでそれが旬なのかも知れない。

例えば、冬はすき焼きやしゃぶしゃぶ、牛すじを使った煮込み料理
もつ鍋がよく出る。

春から夏にかけては、焼肉やホルモン焼きだ。

ステーキに関して言えば、季節に関係なく年中平均してよく出る。
特にクリスマスシーズンは通常月の倍以上の出荷となる。

ところで、ステーキといえばヒレとサーロインが代表的だが
ヒレはまだしもサーロインはサシがよく入る部位なので、たくさん食べることができない。

当店では、サーロインでもサシが少ないA3あたりを推進している。
理由はいろいろあるのだが、赤身の肉には脂肪燃焼効果のあるL-カルニチンが
豊富に含まれており、アンチエイジング効果もあるのだ。

パイナップルやキューイ、パパイヤなど消化酵素の良いフルーツと一緒に食べるのも
おすすめだ。鉄分、タンパク源が摂取できる。

さて、ステーキで悩むのが焼き方だ。
家庭ではうまく焼けないからと購入を躊躇させる方が多いようだが
実は、ステーキこそ単純で簡単な料理なのだ。

もちろん凝り始めたらキリがないのだが、フライパンを温めて
常温に戻したステーキを両面焼くだけでいいのだ。
あとは、お好みで塩や山葵で食べるとおいしい。

ちなみに、挽き肉の赤身は脂肪燃焼効果が減ってしまうので
やはりステーキがおすすめだ。

本格的な秋のステーキもご紹介しておこう。
かなり面倒だが食卓が華やかになること間違いなしでお時間のある方はお試しあれ。

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材料2人分

ロース肉     2枚
大蒜       2かけ
さつまいも    小2個 (0001、0002)
しめじ      1/2パック
椎茸       2個
栗(むき栗)   2個
玉葱       半個分
三度豆      4〜6本
塩        少々
オリーブ油    適量

☆ソース☆    (0016)
赤ワイン     200ml
砂糖       大匙1杯
みそ       小匙1
バター      10g

下ごしらえ
1.牛ロース肉は常温に戻し、両面に塩をふる
2.10分間置く
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3.玉葱は1cmの輪切り、三度豆はヘタを切り落とす、栗は殻をむく、さつまいもは半分に切り、にんにくはスライスする。
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付け野菜を作る
オーブン皿にクッキングシートを敷き、しめじ、椎茸、栗、さつまいもに塩とオリーブオイルを振り掛ける。
200度に予熱したオーブンで15分間焼く。
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焼く
1.フライパンに油を熱し、輪切りの玉葱を焼く
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2.フライパンに油を熱し、にんにくを炒めお肉を好みの焼き加減で焼く
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湯がく
三度豆は塩茹でする
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ソースを作る
小鍋に赤ワインと砂糖を入れて3分間ほど煮付め、最後にみそとバターを加えとろみをつける
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盛り付け
お皿に玉葱を敷きお肉を乗せ、周りにソースをかけて、焼き野菜と三度豆を飾る
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はい、出来上がり〜♪


世の男性のみなさま、彼女や奥様にいかがですか!


posted by niiho at 19:18| ステーキ

2012年09月08日

若さの秘訣は牛肉を毎日食べること、これマジなんです。

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普段は赤身肉を好んで食べるのですが、たまにはコッテリとしたサシの多い
サーロインも食べたくなるときがある。

ただし、食べ過ぎは禁物だ。必ず後悔する。
おいしい食べ方は、おいしいと思ったときにやめることだ。

今日は、10日前に入荷した「近江牛の雌牛で格付けA4」が
ちょうど食べ頃なので試食することにした。

牛肉の良し悪しは「脂の質」で決まると言われている。
よく舌の上で溶けだす、という表現が使われる。
また、融点が低いからあっさりとしていてなんぼでも食べられる。
と言ったことを平気でサイトに書いている店もある。

そんなアホな・・・って感じだ。

融点というのは脂が溶けだす温度のことで、不飽和脂肪酸含有量が高いほど
融点が低い傾向にある。

マグロのトロを思い出していただければ分かりやすいと思う。

しかも、雌牛は、雄牛(去勢)よりも脂の融点が低いのであっさりした食感と
言われている。

赤身肉より霜降り肉のほうが高値で取引されるため、
生産農家さんは、サシ優位な肥育をせざるおえないわけだ。

しかしだ、消費者が求めているのは時代とともに変化し「脱・霜降り」を
宣言する肉好きな方々も増え始めている。

専門家(肉屋をはじめとする畜産関係者)からみれば格付け等級や融点など
けっしてないがしろにはできない項目があるし、ときとして重要視しなくてはいけない
場合もある。それもわかる。

でも、私の考え方はそれらを理解した上で、あえてこう言いたい。

脂はどこまでいっても脂、多少の個体差はあっても食べ過ぎればくどくてもたれる。

だれもが知ってる高級ブランド和牛の霜降り肉を200g食べようと思ったら
かなりの体力が必要となる。

赤身肉のように、ペロっと平らげるというわけにはいかない。
例外もあるだろうが、大半の方は2〜3切れも食べれば十分満足してしまう。

私は、それぐらいの量がちょうど良いと思っている。

当店のお客様に毎晩牛肉を食べているという方がおられる。
サイコロステーキ2〜3切れとワインをグラス1杯飲むのが日々の楽しみだそうだ。
90歳のそのお客様はとにかく元気で電話で話す声なんて私よりハツラツとしている。

しかも赤身よりもサシの多い霜降り肉が好みだという。
若いころはすき焼きのときに使うケンネ脂(脂の塊)が大好物だったそうだ。

昨日、「心と体のアンチエイジング」セミナーで新宿溝口クリニックの
定真理子先生にお会いしたが、若々しくてキレイな方だった。

若さの秘訣は、毎日牛肉を食べること、真顔でこうおっしゃっていた。

9月30日にも同セミナーがきたやま南山にて開催されるので
ご興味のある方はぜひご参加ください。


posted by niiho at 17:49| 雑記

2012年09月06日

プレミア近江牛の問い合わせが増え続けているのだが。

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「肉牛ジャーナル」の記事(→クリック)を見たと言う問い合わせが多い今日この頃。

私はてっきり牛飼い(肉牛生産者)が読む雑誌だとばかり思っていたのだが
焼肉店やレストランからの問い合わせが多くて正直ビックリしている。

国産飼料だけで、しかも滋賀県産の飼料のみで育てたプレミア近江牛は
県の偉いさん方もショックを受けたほど素晴らしい仕上がりだった。

チャレンジしてもとうてい行きつかない領域。
ちょっと大袈裟かもしれないが、それぐらいの覚悟を持って取り組んでいる。

問い合わせの多くは価格だ。
サシがどうだの、格付けウンヌン言ってる方には扱いにくい牛肉であり
実際に、牧場の様子や牛を見て説明させていただかないと恐らく理解できない世界だと思う。

味に関しても、食味検査で意見がわかれたように国産飼料をたっぷり食べさせた
プレミア近江牛だからといって特別おいしいというわけではない。

見てほしいのは、知ってほしいのはその背景なのだ。
そういったものもひっくるめて味わってほしい。

肉質の仕上がりで価格を決めていないので、ストーリーが分かっていないと
絶句するほどの高価格なのだ。

サシを追い求めるのが黒毛和牛の生産農家であり、あたり前だがそれが本筋だろう。

しかし、消費者が求めているのはそこではない。

今日も経営不振の牧場を譲り受けてくれないかと相談された。

今日「も」ということは頻繁にあるということなのだが
私は、いままでもこれからも牧場をする気は毛頭ない。

牧場をやって、流通や販売もやって、小売りもやっていれば一気通関の仕組みで
安全性が確立されているように見えるが、それぞれに経営という分野が存在するわけで
数字を追い求めれば消費者が見えなくなる。

それぞれの分野でがんばっている人たちが手を組むことこそ
消費者に近い商売ができるのではないかと思う。



posted by niiho at 16:41| 近江牛

2012年09月04日

同じ志を持った職人さんに出会いました

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木下牧場のたかちゃん(左)とみなちゃん(右)

たかちゃんはお婿さんですが、木下家に来た当初は目つきが悪くて
大丈夫かな〜、なんて周囲もヤキモキしたものです。

朝早くから夜遅くまで牛の世話をする毎日。
気がつけば、やさしい目、穏やかな顔つきに変わっていました。

今日は、テレビのロケで肉牛農家さんへ行ってきました。
和牛も飼っていて、焼肉レストランも経営しているというまさに6次産業化を
見事に成立させている農家さんです。

焼肉レストランの職人さんがこんなことを言ってました。

京都の老舗で修業していたときは、値段だけの商売をしていたのだが
ここで働くようになってから、目の前に生きた牛がいて出荷に立ち会い
あのときの牛がお肉になってボクの目の前にあるという現実。
脂の1つまで大切に扱いたい・・・。

思わず拍手しました。

こういう気持ちを持った職人さんってあまりいないんですよね。

同じような志を持った方に会うとうれしくなります。

posted by niiho at 19:35| 雑記

2012年09月03日

「肉牛ジャーナル」で特集を組んでいただきました!

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どの業界にも「業界誌」なるものが存在するかと思われるが、
肉牛を飼っている農家さん向けに発行されている専門誌がある。

「肉牛ジャーナル」という我が国唯一の肉牛専門誌がそれだ。

肉屋は読まないし、ましてやレストラン関係者も読まない。
というか、この雑誌を知らないと思う。

もし、知っている、もしくは購読しているという方がいれば
よほどのマニアではないだろうか。

私はマニアなので購読しているが、じつにおもしろい。
9月号は、「生産と消費を結ぶ食肉業者」の特集が組まれていて
業界内で大いに反響を呼んでいる。

表紙をめくると7ページに渡って当社と生産者の取組みが掲載されている。
1ページぐらいの掲載だと思っていたので雑誌が届いて驚いた。

しかもですよ、私も過去、結構いろんな雑誌に掲載してもらったが
意図しない編集をされたり、私の発した言葉とは違う表現で掲載されたりと
ちゃんと原稿確認したのになんやねんこれは!といったことも少なくないのだ。

しかし、今回の特集記事は、忠実に私の言葉そのもので掲載されている。
当社と木下牧場の関係性、取組み、赤身肉を求めるワケ、美味しさの見える化など
この部分だけ切りとっても1つのストーリーとして安全への信頼性へと繋がる。

この記事だけで、私がこの10年どういったことに取り組んできたのか
わかりすぎるほどわかる。

よく10年後はどういった会社にしたいですか?
と聞かれることがある。

正直、そんなこと考えたこともない。

計画性がないと言われるかも知れないが、畜産業界は1960年代の0-157からはじまり
2001年のBSE問題、そして偽装や口蹄疫、牛肉ユッケ事件など次から次へと災いが絶えない。
そんなこと考えてる暇もないぐらいだった。

その都度、牛肉の消費が落ち込み、風評被害による牛肉離れが起こる。

そして消費者があたりまえだと勘違いしている「安全・安心」が再びクローズアップされる。

要は、これらの繰り返しをここ10年やっているのだ。

会社を大きくすることはあまり考えたことがないが、たぶんこれからも考えないと思う。

それよりも、1人でも多くの方が当店の牛肉に価値を見出してくれるよう
いままでどおり変わりなく生産者の方々と一緒に取り組んでいきたい。

土日の2日間、高知で開催されたネットショップの合宿勉強会に参加してきた。
学びの多い合宿であり、すばらしい講師の方々のお話を拝聴することができた。

私もパネラーの1人としてお話しさせていただき、自分で話しながら
道を踏み外していないことを確信できた。

すべてにおいて「本物」を作り上げていかなければならない。


posted by niiho at 13:46| メディア

2012年08月30日

健康志向なあなたにおすすめしたい牛肉が入荷しています

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何年前になるだろう・・・
木下牧場を訪れたとき、牛がまるで馬のように走り回っている姿をみて驚いた。
しかも1頭だけではなく、20頭ぐらいが群れになって走り回っていた。

木下さん曰く、牛舎から放牧場へ放たれる瞬間、こうやって喜ぶんですよ。
とのことだった。

和牛で放牧を取り入れているところは少なく、ほとんどの場合は
牛舎で多頭飼いというのが現状だ。
人間で例えると、寝ては食べの繰り返しで動かないから太っていき
お腹にはたっぷりと脂肪がつくようなイメージだ。

放牧の牛たちは、立っているだけでも常に体重がかかっているわけで
スネや脚の筋肉で700kg〜800kgの体重を支えていることになる。
つまり常に筋肉を使い続けているということだ。

ところで、ここ最近の赤身肉ブームで一般の方からの牛ヒレ1本買いが
増えてきた。誕生日会のパーティーや小分けにして冷凍保存など用途は様々だが
消費者の嗜好と志向が変化しつつあるようだ。

余談だが、脂肪の少ないヒレ肉(鶏の場合はササミ)は、骨と骨をつなぐ深層筋で
人間でいうところの脊柱起立筋にあたり、体の内側にあって中心部で体の重みを
支えている筋肉です。

最近、よく耳にするインナーマッスルは、まさしくこれらの筋肉を指します。

牛肉は、バラ系に脂が多く、モモ系は脂が少ない。
これは筋肉をどのように使っていたかが左右しているもので
例えばスネ肉はよく運動する部位なので、脂肪が少なく赤身が多い。
これらは、流通価格(販売価格)にも大きな影響を与えている。

脂肪の多い霜降り肉は、見た目もキレイなこともあり高値で販売され
見栄えのよくない赤身肉は、どちらかといえば安価で販売される。

このあたりもよくよく考えると、健康的な赤身肉が低く評価され
不健康(乱暴な言い方ですが)な霜降り肉が高く評価されるのは不思議な感じが
しないでもない。

どちらにしても、健康に育ててもらった牛肉はとろけるような柔らかさは望めないが
肉本来の旨味をしっかり味わうことができる。

本日から販売の木下さんの近江牛はまさに健康志向な方々にピッタリな牛肉だ。




posted by niiho at 12:12| 近江牛

2012年08月27日

牛肉サミット2012 10万人の来場者で熱く暑く盛り上がった!

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会場をぶらぶら歩いていた井岡弘樹さんと(^^)

牛肉サミット2012が終わった。
私の夏が終わったという感じだ。

顔は真っ黒に日焼けし勲章のように誇らしい。
昨年が2日間で4万人、今年は10万人の来場者だった。
予想以上の結果に驚くと同時に牛肉サミットがやっと歩きだした感じだ。

牛肉サミットは、元々滋賀を元気にしたいという私を含めた4人の
中小企業の経営者が立ち上げた牛肉料理1を決定するイベントだ。

昨年は、ユッケ事件、震災、放射性セシウムという逆風のなか
事前の記者会見にも大勢のメディアが集まってくれた。

牛肉サミットに興味があるのではなく、こんな最中のなか本当にやるのか?
という興味で集まってくれたに他ならない。

実際、記者からの質問はそこに集中した。

今年は、生レバーの規制が2ヶ月前にあったぐらいで大きな事件もなく
話題性に欠けたのか、記者会見に集まった記者は3名。

もちろん、掲載してくれたことに感謝しています。
ありがとうございました!

さて、今年は北は北海道から南は石垣島と
まさに日本列島各地から30店舗がびわ湖に集まってくれた。

近江牛、松阪牛、神戸牛、オリーブ牛、十勝若牛、米沢牛、若狭牛
梶岡牧場侍和牛、神戸高見牛などなど・・・

見事グランプリに輝いたのは、十勝若牛だった。

震災復興、畜産業界の活性化を掲げた牛肉サミットだが
最低10年は続けていきたい。

そして、牛肉サミットに出店することが名誉になるような
そんなイベントに育てていきたい。





posted by niiho at 19:31| イベント